「戦略を取り込む」という選択——マーケティング支援企業の進化論
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- コラム
マーケティング支援の高度化が進む中で、企業に求められる役割や体制も大きく変化しています。その変化の中で見えてきた課題とは何か。
今回は、企業のデジタルマーケティングを総合的に支援するアライドアーキテクツ株式会社取締役社長の村岡弥真人様に、マーケティング支援の高度化によって生まれた課題を前提に、Ballistaとの取り組みの背景や成果、今後の展望についてお話を伺いました。

高度化するマーケティングと支援会社の転換点
インタビュアー:
まずはじめに、マーケティング支援の高度化によって生まれた課題はどんなものがありますか?
村岡氏:
大きな潮流としてわかりやすく2点あると思っています。
まず1つ目が、いわゆる広告代理店機能そのものの価値が、以前より相対的に下がってきている点。
そしてもうひとつが、広告主となるクライアントが、制作物ベースの“「点」の支援だけを求めるケースが減ってきた”という点です。
今までだと、複数の広告媒体にある程度ずつ広告費を配分して回すだけでも、一定売上が担保されていた感覚がありました。
これが現在は何十倍にも広告代理店が果たす機能が多様化していると感じます。
同じ会社の広告の中でも種類が何通りもありますし、インフルエンサー起用だったりSEO施策だったりできることも様々です。結果として、施策自体が極端に多角化してきたことにより、1つ1つの施策が業績に与えるインパクトが小さくなっています。

もともと私たちはマーケティングSaaSを提供してきた会社ですが、2024年あたりを境にニーズの質が変わってきた感覚がありました。
デジタル化やAIが台頭してきたこのタイミングで、クライアントが求めているものは、「マーケティングをどう設計して、どうつなげて、最終的にどう成果にするか」まで一気通貫で行ってくれる存在なのだと感じることが増えました。
コスト削減、迅速なクリエイティブ制作など含めて“統合的に見てほしい”という思いが強くなった印象です。
また、同時にクライアントの多くがインハウスでのマーケティング施策実行に移ってきています。
AIによりクリエイティブも生成できますし、運用まで任せられるとなってきた。
そうしたときにマーケティング支援の会社に求められるのは、ただ作る・回すではなく、新しい訴求方法の開発や、新しい顧客群の開発など、今までより上流の部分だと思っています。
これは、AIを使ってクリエイティブ生成するのとは違って、インハウスで行うにはハードルが高いものです。
必要だとは思っていても、社内ではできずに困っている企業様が多い印象ですね。
インタビュアー:
クライアントの課題を解決するために、コンサルタントが得意とする戦略視点が必要だと感じたということでしょうか。
村岡氏:
そうですね。実際この課題を解決するためには、これまでのSaaS提供やSNS運用、クリエイティブ作成だけでは足りないと思ったんです。
もう少し事業開発や戦略に近い部分にまで手をかける必要があるなと思いました。
中川:
私達もコンサルティングサービスを提供する会社として様々な業界のクライアントを支援していますが、デジタルやAI時代になってから、マーケティング支援の会社や広告代理店との間に距離ができたと感じているお客様はとても多いですね。
マーケティングと経営は分断できない
村岡氏:
クライアントと話していると、「結局この広告を打った意味はなんだったのか、現場の認識が曖昧になってしまっている」といったことがよくあります。
もともとマーケティングの本質として、社内のマーケティング担当が事業開発担当や経営からも分断されている状況というのはとても違和感があるとずっと感じていました。
中川:
実際にその違和感を感じていても、それを課題として言語化したり、行動を起こせる方は少ないと思うので、村岡さんの目指されている世界は素晴らしいと改めて感じました。
使い古された考えかもしれませんが、マーケティングと経営は直結するという考えはまさに今の時代こそ必要だなと、企業の経営を支援することの多いコンサルの立場でもすごく感じる機会が多いです。

村岡氏:
経営的な感覚と、マーケティングの訴求開発は本当に近いものになってきていると思います。
総合広告代理店の中でも経験豊富なクリエイティブディレクターならこういった要求にも対応できるかもしれませんが、実際にそれができる人は少ない。能力の有無の話でもありますが、何より時間と情報やデータが足りません。
クライアント側の要求が変わったことに加えて、業界側の構造的な限界もあるのだろうと思っていました。
そこで、アライドアーキテクツはテッキーな会社でもあるので、構造的な課題は仕組みで解決できるのでは、と考えてVoCを軸としたデータソリューションKaname.ax®️の開発に至りました。
さらに経営視点を取り入れることで、より根幹の部分から解決できるのではないかと思い、コンサルティングの会社との連携を検討し始めました。
中堅〜大手toC市場 ―空白領域への挑戦―
インタビュアー:
「コンサル×マーケティング」の支援を考えたときに、特に可能性を感じている市場はありますか?例えば、どんな領域にニーズがあるとお考えでしょうか?
村岡氏:
私たちのクライアントは年商300億〜1,000億円規模の中堅〜大手企業が多く、その中でも飲料、食品、化粧品、美容といった業界が7割近くを占めます。
ここの企業群って、実は大手コンサルも深く入っていないですし、大手広告代理店も十分に踏み込めていない、絶妙な空白領域なんです。
伸び悩んでいるという危機感はあるけれど、超大手ほどの予算もない。一方で、大手コンサルからするとtoB企業に比べるとtoC企業は変数が多くて価値を出しづらい。
ただ、支援を求めていないわけではなく、むしろ経営レイヤーのニーズは非常に高い群でもあります。
ここに成功モデルができれば、中堅〜大手toC企業がブレイクスルーし、日本のマーケット自体も活性化すると思っています。
だからこそ、この領域を上流まで成長させていきたいと感じていましたし、その中でBallistaさんとの連携は必然だったと感じています。
インタビュアー:
そもそもなぜBallistaと連携することに至ったのでしょうか。
村岡氏:
始まりは共通の知り合いからのご紹介でした。
私たちはデータも持っているし、マーケティングの実行もできるので、いわゆるCMO的な役割は担えるのですが、いわゆるコンサルの方々が支援されているような戦略立案は担ったことがありませんでした。
ですが、自社の「Kaname.ax®️」というサービスはコンサルティングとの相性がいいはずだと考えていたので、知人にコンサルティング企業の紹介をお願いしていました。
ただ、大手コンサル会社からは「toBが基本だから」と断られることが多かったんです。
そんな中で出会ったBallistaさんは、他とはスタンスが全く異なりました。
企業を本気で改革したいという姿勢もそうですし、「先義後利」に近い価値観を感じました。
困っている企業がいるなら、toC・toB関係なく一緒にやる。そのスタンスに、正直救われましたし、この未開拓領域を一緒に切り拓けるかもしれないと思えたのが最初の印象です。

中川:
私もすごく似た感覚を持っています。世の中には様々なツール・プロダクトがありますが、その中でもアライドアーキテクツさんが提供するプロダクトは優れていると思いましたし、村岡さんの熱い思いを聞いたとき一緒に進めていけそうだと感じました。
なので最初お会いしてから会社として連携するまではすごくスピードが速かったですね。
村岡氏:
Ballistaさんと提携してから、クライアントさんからの問い合わせ件数はすごく増えましたね。やはり「マーケティング×戦略」視点の支援について、お客様からのニーズは高いのだと感じました。
インタビュアー:
今までのマーケティング領域にコンサルの経営視点が加わったことで、変化はありましたか?
村岡氏:
大きく変わりました。
これまではKPIや予算といったマーケティング中心の議論が主でしたが、中期経営計画や事業ポートフォリオの話から議論が始まることが増えました。
他にも、商品開発や販路戦略視点の話も出てくることもあります。これは今まで出てこなかった視点です。こういった経営レイヤーでお話させていただくことで、これまでとは全く規模感の異なる課題感を自分たちも知ることができるので、その点は大きな変化でした。
中川:
我々としても、アライドアーキテクツさんと組むことで、戦略が実行データと接続できるようになりました。実際のデータをもとにUGCや消費者視点を踏まえた提案ができるのは新しい価値ですし、戦略からエグゼキューションまで一気通貫で担える体制になっているのは大きな進化だと思います。
これからのAI時代、コンサルタントの価値も変わってくると思っています。
私たちコンサルタントもどちらかと言うと今までのような参謀のようなポジションでなく、実際にビジネスインパクトを出していく、企業の伴走者へと形を変えていかなければならないと感じています。
インタビュアー:
今後、Ballistaに対する期待を教えてください。
村岡氏:
実際現場で痛感するのが、既存のフレームワークで戦える時代は終わっているということです。正直、今のコンサルタントの仕事はAIが代替できるようになってきています。
それに加えて、コンサルティングファームは机上の空論であったり、理解はできても実行に落ちないレポートだけ渡されて支援が終わってしまった、という話をクライアントから聞くことが多く、このイメージは根強く残っていると感じます。
だからこそ、フレームワークを使いつつも、既存の枠にとらわれず常に新しい価値を生み出そうと、目の前の課題解決に対して泥臭く取り組んでくれる存在が必要です。
Ballistaさんは、論理性と行動力の両方を兼ね備えていると思いますし、そこに強い信頼を感じています。
市場を開拓し、新しい価値を生み出す。
その挑戦を一緒に続けていけたら嬉しいですね。

【アライドアーキテクツ株式会社】
データとクリエイティブの力でマーケティングコミュニケーションを設計することで事業成果の向上に貢献するマーケティングAX支援企業。
「Kaname.ax®️」をはじめとする独自のソリューションを展開し、マーケティングに関する立案から実行まで一貫した支援を提供する。
【株式会社Ballista】
株式会社Ballistaは「個人と企業の挑戦に寄り添い世界を変える」をMissionに、コンサルティング、フリーランス向けサービス、事業開発の3つの事業を展開するプロフェッショナルファームです。
コンサルティングでは、コンサルタントの在り方を再定義し、新時代のコンサルティングとして企業や社会の課題解決を支援します。フリーランス向けサービスでは、旧来の商習慣や業界構造を打破し、プロフェッショナルが働きやすい社会に向けたサービスを展開します。事業開発では、特定領域の専門家や経験者を集め、明日の経営者を生み出すエコシステムを創ります。